クレジットカードの審査とは?審査の基準や通過のコツを解説

クレジットカードの知識

クレジットカードの審査は、利用者がカードの利用代金を支払うことができるかどうかをカード会社が判断する重要なプロセスで、審査に通過するとカードが発行され利用できるようになります。

クレジットカードの審査内容は、カード会社により異なりますが、一般的に審査で確認されている項目や重要とされている情報は次の通りです。

  • 申し込み条件
  • 本人確認
  • 属性情報
  • 信用情報

本記事では、クレジットカードの審査基準と審査通過のコツを解説します。

これからクレジットカードを申し込もうとしている人は、事前に確認しておきましょう。

1.クレジットカードの審査とは

クレジットカードは、後払いで商品やサービスの代金を支払うことができる便利なサービスです。

クレジットカードの仕組みは、利用者が支払い能力をもつことが前提となります。

そのため、クレジットカードを申し込むと、カード会社が申し込み者の支払い能力を審査します。

クレジットカードの審査の目的は、主に次の2つです。

  • クレジットカードの発行可否を判断する
  • クレジットカードの利用上限を決定する

クレジットカードは、後払いの決済手段であるため、利用者が利用代金を支払わなかった場合、代金を立て替えているカード会社は資金を回収できず、損失を被ることになるでしょう。

そのため、カード会社は審査を通して利用者の支払い能力を判断し、利用代金の未払いリスクを回避しようとします。

同様に、クレジットカードは利用者ごとに利用上限額が設けられますが、上限額をいくらにするかも審査により決定されます。

また、反社会的勢力にクレジットカードが利用されて犯罪を助長するリスクの回避や、すでに多額の借金を負う人が追加で借り入れをおこなう多重債務者の発生を防ぐことも、審査の目的です。

なお、審査なしで発行されるクレジットカードはありません。

2.クレジットカードの審査内容

申し込み条件

申し込み条件に合致していなければ、審査に通過できません。

通常の申し込み条件は年齢制限と安定した収入があることの2点です。

当然ですが、対象年齢でない場合は申し込みできません。

また、安定した収入があるかは申し込み後に、申告した内容を基に審査で判断されます。

なお、学生の場合は申し込みが可能なカードと、申し込みできないカードがあるため、事前によく確認しましょう。

本人確認

クレジットカードの発行は、身元の確かな人にしかできないため、本人確認がおこなわれます。

本人確認は、本人確認書類の提出によりおこなわれます。

通常、本人確認書類として利用できるのは次の書類のコピーです。

  • マイナンバーカード
  • 運転免許証
  • パスポート
  • 健康保険証
  • 住民票の写し
  • 在留カード

カード会社や申込方法により、本人確認書類が2点必要なケースもあるため注意しましょう。

属性情報

属性情報とは、申し込み者の年収や勤務先などの情報で、クレジットカードの利用代金を支払える人物であるかの審査に利用されます。

属性情報には次のような項目があります。

  • 氏名、住所、電話番号
  • 年収
  • 勤務先、雇用形態、勤続年数
  • 住居に関する事項(持ち家か賃貸か)、居住年数
  • 家族状況(配偶者や子供の有無など)
  • 借り入れ状況

信用情報

信用情報とは、申し込み者における過去のクレジットカードやローンの利用状況に関する情報で、信用情報機関により管理されています。

信用情報機関の情報を利用してカード会社は、申し込み者のクレジットカード代金の支払いやローンの返済状況、さらに借金の状況などを確認します。

在籍確認はある?

在籍確認とは審査の一項目で、申告された職場で働いているかの確認をおこなうことです。

在籍確認の方法には申し込み者の申告内容や書類から判断する方法と、勤務先に電話で連絡する方法とがあります。

クレジットカードの審査で、電話による在籍確認をおこなうかどうかはカードにより異なります。

在籍確認がおこなわれる場合、電話に出ないと審査に通過できないため、注意しましょう。

3.クレジットカード審査通過のコツ

ここからはクレジットカードの審査に通過するためのコツを解説します。

クレジットカードの審査通過には、正確な情報を申告することや短期間に複数のカードに申し込まないこと、属性を有利にするよう心がけることが重要です。

正確な情報を申告する

クレジットカードの審査では、申し込み者の収入や勤務先などの属性を審査します。

そのため、申し込み者が申告してくる内容は、審査にあたり非常に重要な情報となります。

クレジットカードの申し込みフォームは、入力ミスや誤字脱字がないように、よく確認してから送信しましょう。

誤った情報を申告すると、内容の再確認や訂正に時間が掛かり審査結果の到着が遅れることもあります。

短期間に複数のカードに申し込まない

クレジットカードの審査では、申し込み者の信用情報も審査されます。

信用情報では、申し込み者がほかのクレジットカードに申し込みをしている情報も把握できます。

短期間に複数のクレジットカードに申し込むと、多重申し込みと判断され、審査に通りにくくなる可能性があるでしょう。

多重申し込みが審査で不利になる理由は、短期間に複数のカードに申し込むことは、お金に困り複数のカード会社から借り入れしようとしている可能性があるからです。

クレジットカードの申し込みは、1社ずつ申し込みの結果を確認してから、おこなうようにしましょう。

ただし、申し込みの際にカード会社から「最近、他社のクレジットカードに申し込みましたか?」と聞かれることがあります。

その場合は、正直に答えるようにしましょう。

属性を有利にする

クレジットカードの審査では、申し込み者の属性も審査の重要な要素となります。

属性とは、申し込み者の年齢、職業、勤務先、雇用形態、勤続年数、居住年数、家族構成などのことです。

とくに安定した収入につながる要素は重要で、年収や勤務先は審査に大きな影響を与えます。

通常、一定規模以上の企業の会社員や公務員は、毎月の給料を安定的に得ることができるため審査では有利に働きます。

また雇用形態も、クレジットカードの審査で重要なポイントです。

正社員や契約社員など、安定した収入がある雇用形態の方がパートやアルバイトの人よりも、審査では有利になります。

そのほかに勤続年数が長いと、今後も継続して勤務すると予想できるため、良い評価を受けられます。

パートやアルバイトの人も、勤続年数が長いと安定した収入があると判断され審査に有利になることがあります。

一方、正社員でも転職を繰り返し勤続年数が短い人は、審査に通りにくくなる可能性があります。

カードのグレードを下げる

クレジットカードには「一般カード」「ゴールドカード」「プラチナカード」のようにグレードが存在します。

カードのグレードは、サービス内容や特典に加えて、ショッピングに利用できる買い物枠に影響を与えます。

グレードの低いカードはショッピング枠が少なく、グレードの高いカードはショッピング枠が多く設定されるでしょう。

審査の観点から見ると、グレードの高いカードの発行には十分な収入を得ている必要があり、グレードの低いカードよりも厳しくなります。

自分の収入に自信がない場合やグレードを気にせず審査の通過を優先したい人は、グレードの低い「一般カード」を申し込むことで、審査通過の可能性を高められるでしょう。

4.クレジットカード審査の注意点

クレジットカードの審査を受ける際には注意したいポイントがあります。

虚偽の申告をしないことや信用情報に関する事項、在籍確認への応対についてです。

それぞれ具体的に解説します。

虚偽申告は絶対にしない

クレジットカードの申し込みで、申告する情報はすべて正確に記入や入力する必要があります。

審査に通過するために、年収や勤続年数を過大に申告するのは絶対にやめましょう。

虚偽の情報を申告すると、審査に通過できなくなります。

カード会社は審査のプロフェッショナルであり、虚偽の申告は他の情報との整合性があわなくなり、すぐに見破られます。

虚偽申告をしても、審査に通過する可能性が高まることはありません。

むしろ、本来であれば通過できた申し込みが、虚偽の報告により通過できなくなります。

信用情報を良好に保つ

信用情報とは、申し込み者がこれまでにクレジットカードやローンに申し込み状況や、利用した際の支払い状況などが記録された情報です。

クレジットカードの審査では、申し込み者の信用情報が重要な判断材料となります。

クレジットカードやローンの支払いを遅延すると、信用情報に「遅延情報」が記録され、信用情報に傷があると言われます。

信用情報に傷があると、クレジットカードの審査に通りにくくなるでしょう。

信用情報を良好に保つためには、クレジットカードやローンの支払いを滞りなくおこなうことが大切です。

信用情報が良好であれば、審査に通過しやすくなります。

在籍確認の電話にきちんと応える

クレジットカードの審査で、申し込み者の勤務先に電話での在籍確認がおこなわれる場合には、電話に応対する必要があります。

在籍確認とは、申し込み者が申告した勤務先に本当に在籍しているかの確認です。

在籍確認は、審査の重要な判断材料であり、在籍確認の電話に応対できないと、審査に通過できません。

ただし、在籍確認は職場に申し込み者が在籍していることがわかればよいため、職場の他の人が電話に出て、申し込み者が外出や離席などの理由で電話に出られないことを説明すれば、在籍確認は完了となります。

5.まとめ

クレジットカードの審査は、カード会社がカードの利用代金を支払うことができるかどうかを判断する重要なプロセスで、一般的に審査で確認される項目は次の通りです。

  • 申し込み条件
  • 本人確認
  • 安定した収入
  • 信用情報

審査に通過しやすくするコツは、申し込み時に正確な情報を申告することや、短期間に複数のカード申し込みはしないことです。

また、属性が有利になるよう意識して働くことも大切でしょう。

一方で、虚偽の報告をおこなう、あるいは信用情報に傷があると審査に通過するのは困難となります。

また、電話での在籍確認がおこなわれる場合は、確実に応対するようにしましょう。

クレジットカードの審査基準と通過するコツ、注意点をよく確認して希望のクレジットカードの審査に通過する準備を整えましょう。