クレジットカードには世界で流通する5大ブランドがありますが、どのブランドが良いのか迷っているひともいるでしょう。
5大ブランドにはそれぞれの特徴がありますので、自分がどのようにクレジットカードを使うかによって適したカードは異なってきます。
本記事では、世界で利用できるクレジットカードの5つのブランドについて特徴を解説します。
自分に合ったブランド選びに活用してください。
国際ブランドとは?
クレジットカードには「Visa」や「Mastercard」といったマークが入っています。
このマークは国際ブランドといい、決済ネットワークを提供する企業を意味するのです。
世界で流通する国際ブランドには「Visa」「Mastercard」「JCB」「AMERICAN EXPRESS」「Dinners Club」があり5大ブランドと呼ばれます。
Visa:世界最大の加盟店ネットワーク
Visaはアメリカの企業Visa社によって運営されるクレジットカードです。
Visaは、世界最大の加盟店ネットワークを誇る国際ブランドです。
世界200以上の国と地域で、約1億店以上の加盟店で利用できます。
Visaの歴史は、1958年にBankAmerica(現在のBank of America)が発行したクレジットカードを源流としています。
1976年にカードの名称を現在のVisa(ビザ)に変更し、2007年に世界各国の事業を統合して、現在のグローバル企業としてのVisa社が生まれました。
Visa社は2008年にニューヨーク証券取引所に上場しました。
日本では、日本法人であるビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社がVisaブランドの業務運営をおこなっています。
自社でカード発行はおこなわず決済システムの提供をおこなっています。
Visaのメリット
Visaの特徴は、なんといっても世界シェアがNo.1であることでしょう。
No.1の理由は、200以上の国や地域で利用できる世界最大の加盟店ネットワークにあります。
日本のみならず海外においてもVisaのカードを持っていれば、買い物代金の支払いに困ることはほとんどないでしょう。
仮に現金でしか取引しないお店があったとしても、提携ATMがあればキャッシングで現地の現金を引き出すことも可能です。
セキュリティにおいても高度な技術レベルを有しており、不正利用を見逃さない態勢が世界中で構築されています。
Visaのデメリット
世界で最も利用されているクレジットカードであるVisaの利用に、大きなデメリットはありません。
強いていうならばカードの種類が豊富にありすぎて、どれを選んだら良いかわかりにくいことでしょう。
Visaオリジナルのカードは存在しないため、提携会社のVisaブランドカードの選択となります。
提携会社の数が多くそれぞれの会社がそれぞれの特徴を持っているため、よく調べて自分に合ったカードを選ぶ必要があります。
Mastercard:Visaに次ぐ規模、多彩な付帯サービス
Mastercardはアメリカの企業マスターカードワールドワイド社によって運営される、Visaに次ぐシェアを持つ国際ブランドです。
Mastercardは1966年にチェース・マンハッタン銀行を中心にして組織された、地方銀行協会に属する Interbank Card Association から発祥しています。
その後1969年にマスターカードインターナショナルに社名を変更、2006年に再度名称変更して現在のマスターカードワールドワイド社になっています。
Mastercardの特徴
MastercardはVisaと並ぶ世界最大のブランドです。
加盟店ネットワークもVisaに並ぶ1億店舗であることを公式サイトで表明しています。
また、キャッシングに利用できるATMは、世界210カ国以上に存在します。
Visaとの比較上、Mastercardはヨーロッパ圏での利用に強いと言われることもあるようです。
MastercardもVisaと同様に自社でカードの発行はおこなわずに、提携会社によるカード発行に対して決済システムを提供するビジネスモデルです。
日本国内で使用する限りはMastercardとVisaに大きな違いは無く、クレジットカードが利用できるほとんどの店舗で利用できます。
VisaとMastercardのカードを1枚ずつ持っていれば、国内外の買い物でカードが利用できない不便を受ける可能性はとても低くなるでしょう。
Mastercardのデメリット
Mastercardは世界を代表するブランドで、Visaと同様に世界で利用できるため大きな欠点はありません。
強いていうならば、Visaと比較したときに決め手になる大きな特徴がないことでしょうか。
JCB:日本発の国際ブランド
JCBは日本から生まれた国際ブランドです。
アメリカの国際ブランドが大きなシェアを占めるブランドシェアにおいても、世界中でVisaやMastercardに次ぐシェアを持っており健闘しています。
日本国内ではVisaに次ぐ利用シェアです。
JCBは旧都市銀行である三和銀行と日本信販により設立された日本カードビューロー社を母体にしています。
1978年に会社名をジェイシービーに変更し国際展開を図るようになりました。
VisaやMastercardはカードの発行を自分たちでおこなわないですが、JCBは自らカードの発行業務をおこないます。
提携会社によるカード発行もおこなうため、史上にはJCBが発行するJカードと提携会社が発行するカードが存在します。
JCBの特徴
JCBの特徴は日本の会社であるため、日本語でのサービスや情報開示が充実している点です。
日本国内での加盟店ネットワークは強力で、他のブランドが利用できなくともJCBなら利用できる店舗もあり、日本での使用には全く不便を感じさせないでしょう。
また、日本の他にも台湾やハワイ、グアムなどの加盟店が多く、日本人に観光人気の高い地域での展開が進んでいます。
JCBのデメリット
JCBは日本国内ではネットワークも強く不便さを感じさせませんが、世界全体で見るとVisaやMastercardの方が普及しており、加盟店ネットワークも強固です。
JCBはアジア重視を打ち出しており、アジア地域での加盟店ネットワークの強化を図っています。
AMERICAN EXPRESS:高級感と付帯サービスの充実
AMERICAN EXPRESS社は、1850年にアメリカで設立されたクレジットカードブランドの会社です。
もともとは運輸業者であった企業が金融業に進出し、1958年にクレジットカード事業に参入しています。
特に旅行や娯楽への支出へのサポートが充実しており、ホテルやレストラン、劇場などと提携し、会員に豪華な優遇サービスを提供しています。
AMERICAN EXPRESSは保有する人の対象が富裕層とのイメージが強く、保有者には高いステータスが与えられるでしょう。
クレジットカードにステータスも求めたい人には適したカードです。
AMERICAN EXPRESSの特徴
とくに旅行に関するサポートが充実しており、航空チケットの予約や宿泊に関するサービスが充実しています。
また、厳選された全国約100店舗のレストランで、特定のコース料理を2名以上で予約すると1名分が無料になる「2for1サービス」や、提携ホテルでの宿泊代割引や部屋のアップグレードなど豪華な優待が提供されます。
さらにプラチナカードではコンシェルジュサービスが利用でき、担当者がつき旅行や宿泊、ゴルフやレジャーなどの手配も可能です。
また、アメリカンエキスプレスのカードは、日本での加盟店が少ないため、使いづらいのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかしアメリカンエキスプレスはJCBと提携しており、JCBの加盟店であればアメリカンエキスプレスも利用可能となっています。
おそらく日本国内で不便を感じることはないでしょう。
AMERICAN EXPRESSのデメリット
AMERICAN EXPRESSは富裕層向けのハイステータスなカードであり、年会費がやや高額な傾向があります。
アメリカンエキスプレスのカードに、年会費が無料のカードはありません。
最もスタンダードなアメリカンエキスプレスグリーンカードの年会費は、1,100円(税込み)と極端に高いわけではありません。
しかしゴールドカードは年会費が31,900円(税込み)、プラチナカードは165,000円(税込み)と、グレードが上がるにつれて他のカードとの年会費に差がついていきます。
また、審査条件が通常のカードよりも厳しいとされ、求められる年収が高い傾向があります。
Diners Club:高いステータスと上質なサービス
ダイナースクラブは1950年にアメリカで発足した会社で、歴史と伝統のあるクレジットカード会社です。
日本では、三井住友信託グループ傘下の三井住友トラストクラブが、ダイナースクラブの運営をおこなっています。
1960年にクレジットカード会社日本ダイナースクラブが設立され、アメリカの金融グループであるシティグループの参加になった後、三井住友信託が全株式を取得し子会社化し、商号を三井住友トラストクラブに変更しました。
Diners Clubの特徴
ダイナースクラブは、クレジットカードの中でもハイステータスなブランドとして認知されています。
会員向けの優待サービスが充実しており、特にグルメでは提携する高級レストランのコース料理を2名で利用すると1名が無料になるエグゼクティブダイニングや、オークラホテルでの飲食代が10%引きになる優待サービスがあります。
また、旅行に関しても国内外のホテルと提携し優待や特典を提供し、国内の空港ラウンジは無料で、海外の空港ラウンジは10回まで無料で利用可能です。
また、ゴルファー向けの優待も充実しており、国内外における名門コースの予約や優待割引が利用できます。
Diners Clubのデメリット
Diners Clubのデメリットは高額な年会費でしょう。
ダイナースクラブに年会費無料のカードは存在しません。
最もスタンダードなダイナースクラブカードで年会費は24,200円(税込み)、プレミアムカードでは年会費が143,000円(税込み)です。
学生や若い人にはやや敷居が高く、ある程度社会人経験を積み所得に余裕のある人が持つカードといえるでしょう。
まとめ
クレジットカードには「Visa」「Mastercard」「JCB」「AMERICAN EXPRESS」「Dinners Club」があり、5大ブランドと呼ばれます。
「Visa」や「Mastercard」は加盟店ネットワークが発達しており、世界中での買い物に不便無く利用できるでしょう。
「JCB」は日本発の国際ブランドで、クレジットカードを国内で利用する場合には非常に利便性が高いです。
「AMERICAN EXPRESS」「Dinners Club」は、ハイステータスなカードとして知られており、豪華な特典や会員向けサービスが提供されます。
それぞれの特徴を理解して、自分のクレジットカードの利用シーンと照らし合わせれば、自分に合った国際ブランドを選択できるでしょう。