クレジットカードは、買い物や公共料金の支払いなど、さまざまな用途で利用できる便利なツールです。
クレジットカードには、現金を借りられる「キャッシング」機能があります。
本記事では、クレジットカードに付帯するキャッシング機能について、仕組みやメリット、デメリット、注意点などを解説します。
キャッシングを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
クレジットカードのキャッシングとは?
キャッシングとは、クレジットカードを利用して現金を借りられるサービスです。
クレジットカードのメイン機能は、買い物の決済を後払いにできることですが、別の機能としてキャッシングがあり、キャッシングを利用するとATMから現金を引き出して借り入れができます。
クレジットカードに付帯するキャッシング機能は、基本的に無担保・無保証で利用でき、カードにキャッシング枠が設定されていれば、すぐに利用できます。
キャッシングを利用した場合、通常借り入れた金額のうち一定額を毎月返済しますが、返済資金が用意できれば一括返済も可能です。
クレジットカードに付帯するキャッシング機能のメリット
キャッシングを利用するメリットは、次のとおりです。
手軽に現金を借入できる
キャッシングは、ATMで手続きをするのみで、その場で現金を受けとれます。
さらに、インターネットでの銀行振り込みも可能です。
急なケガや病気、冠婚葬祭など資金が必要だけど手持ちがないケースは数多くあります。
キャッシングを利用すれば必要な資金が借り入れできると考えると余裕をもち生活できます。
また、キャッシング枠の範囲内であれば何回でも借り入れできるため、都度カード会社の審査を受ける必要がありません。
たとえば利用枠が20万円のときに10万円を借り入れているとすれば、追加で10万円までの借り入れは審査なしですぐに利用できます。
無担保・無保証で利用できる
キャッシングは、基本的に無担保・無保証で利用できます。
担保や保証人を探すことは、なかなか大変です。
できればお金を借りようとしていること周囲に知られたくない人も多く、家族にも頼みづらいケースもあります。
日常生活の少額な資金繰りのために、担保や保証人を探すことまでしたくない人もいるでしょう。
キャッシングは審査に通過すれば、担保や保証人を用意しなくても借り入れができます。
海外でも利用できる
キャッシングは海外でも利用できます。
VisaやMasterCard、JCBなどの国際ブランドのカードであれば、海外の提携ATMから現地通貨での引き出しが可能です。
海外旅行をするときに多額の現金を持ち歩き、必要に応じて交換所で現地通貨と交換するのは手間が掛かりますし、セキュリティ上も不安を感じる人がいるでしょう。
キャッシングがあれば手元にはカードのみを保有して、必要なときに必要な額の現金を引き出せば良いため、手軽で安心感があります。
クレジットカードのキャッシングのデメリット
キャッシングのデメリットは、以下のとおりです。
利息が発生する
キャッシングは便利で手軽に借り入れができる一方で、利息の支払いが発生します。
利息は年利15~18%程度が一般的です。
翌月に一括返済をする場合はあまり意識されないかもしれませんが、キャッシングリボ払いを利用する場合には、返済期間が長くなればなるほど利息の負担は大きくなります。
キャッシングを利用するときには、利息を払いながらお金を借りていることをよく認識し、極力翌月に一括返済を心がけましょう。
使いすぎる可能性
キャッシングは手軽に現金を借り入れでき便利なため、使いすぎる可能性があります。
キャッシングはあくまでも借金ですが、手軽に利用できる借金をしている感覚を持たずに利用する人がいます。
自分の収入に対して過大なキャッシング利用をすると、気が付いたときには返済能力を上回る借金となる恐れがあるでしょう。
キャッシングは、慎重に必要最低限度の利用に留めることが重要です。
クレジットカードに付帯するキャッシングの申し込み
キャッシングは、以下の流れで利用できます。
- カード会社にキャッシングの申し込みをする
- カード会社が審査をおこなう
- 審査に通過すると、キャッシング枠が設定される
- ATMで現金を引き出す、あるいは銀行口座に振り込む
キャッシングの申し込みは、カード会社のWebサイトやアプリからおこなうことができます。
利用明細書などにも、Webサイトやアプリの利用案内が記載されているでしょう。
カード会社は、申し込み者の収入や勤務状況、信用情報などを審査し、キャッシング枠を決定します。
キャッシング枠は、カードのショッピング枠とあわせて利用限度額が決まるため、キャッシング枠を利用すると、ショッピング枠がその分減少します。
キャッシング枠が設定されると、ATMで現金を引き出すことが可能です。
なお、クレジットカードを最初に発行する際に、申し込みを意識せずともキャッシングに関する審査と利用枠の設定がおこなわれていることもあります。
Webサイトや利用明細に、自分のカードにキャッシング枠が記載されている場合は、新たな申し込み手続きなしでそのまま利用できるでしょう。
クレジットカードでキャッシングを利用する際の注意点
キャッシング利用には、以下の点に注意が必要です。
利息が発生するため、返済計画を立てて利用する
キャッシングの利用には利息が発生するため、返済計画を立てて利用しましょう。
クレジットカードの利用と返済を計画的におこなうためには、次の点を意識するとよいでしょう。
- 収入の予定を確認し、利用額の上限を決定すること
- 支払日を忘れないよう、携帯やスケジュール帳に記載すること
- できる限り返済は、一括返済すること
- 多数のカードを利用せず、利用するカードを1~2枚に絞ること
返済が遅れると、信用情報に傷がつく可能性がある
キャッシングは借金であり、ルールに従い返済をする必要があります。
キャッシングの返済が遅れると、信用情報に傷がつく可能性があるでしょう。
信用情報とはクレジットカードやローンの利用者に関する申し込みや利用、返済の履歴が記録されている情報で、個人信用情報機関により管理されています。
カードの返済が遅れると、信用情報に記録が残り、傷がつくといわれます。
信用情報に傷がつくと、クレジットカードの審査に通りにくくなったり、ローンの審査に通りにくくなったりする可能性があり、今後の利用に不便が生じる可能性があるでしょう。
カードローンとの違い
クレジットカードに付帯するキャッシング機能と似たサービスとして、カードローンがあります。
カードローンも資金を借り入れができるサービスです。
クレジットカードでもカードローンでも、お金を借りてATMなどから引き出すことをキャッシングといいます。
両者の大きな違いは発行されるカードの内容が異なる点です。
クレジットカードは買い物の代金支払いを後払いにするために利用できるカードですが、カードローンで発行されるカードは借り入れするときに利用するのみで、買い物代金の支払いには使えません。
ただし、クレジットカードとカードローンでは、借り入れするときの条件が異なります。
カードローンのキャッシングのほうが大きな資金の借り入れに対応している点と借入額が大きくなったときに適用される金利が低くなる点が異なります。
まとめ
キャッシングは、手軽に現金を借りられる便利なサービスです。
急なケガや病気、冠婚葬祭など資金が必要な場合にキャッシングが利用できると非常に便利で、日常生活にも余裕が生まれることでしょう。
一方で、キャッシングを利用すると15~18%程度の高い利息を支払う必要があります。
無計画に借り入れをしてしまうと、将来借金の返済に苦労するでしょう。
また、返済が遅れると信用情報に傷がつき、将来のクレジットカードやローンの利用に悪影響を与える可能性があります。
キャッシングを利用する際には、メリットとデメリットを理解した上で、計画的に利用するようにしましょう。